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豪雨時の水没リスク

近年は、梅雨の時期に大雨による災害が発生することも珍しくありません。集中豪雨やゲリラ豪雨など局地的大雨により、日頃走行している道路が冠水し、自動車が水没するといったリスクが以前より高まっています。今回は豪雨により冠水した道路を走行する場合の自動車の水没リスクについて考えます。

1.冠水道路の走行に伴うリスク

都市部などでは舗装面積が多いため、集中豪雨やゲリラ豪雨が発生すると、周囲より低い場所では雨水の排水処理能力が限界を超えてしまい、道路が冠水することがあります。道路が冠水すると、運転者は路面状況が分からず深みにはまったり、側溝へ脱輪したりするおそれがあります。特に周囲に比べて道路の高さが低くなっているアンダーパスでは水没リスクが高く、注意が必要です。冠水した道路を走行する場合、一般的な自動車はある程度の浸水に耐えられるように設計されていますが、エンジン内部やマフラーに水が入ってしまうと故障するおそれがあります。冠水した道路では水深により自動車に以下のような不具合が生じます。

①水深が床面を超えると:吸気口やマフラーから浸水するとエンジンが停止し、再始動しなくなるおそれ 電気装置が損傷し自動スライドドアやパワーウインドウが動作しなくなるおそれ ②水深がドアの下端にかかると:車外の水圧により内側からドアを開けることが困難になるおそれ ※内外の水圧差がなくなるまで浸水すると、内側からドアが開くようになる ③タイヤが完全に水没すると:車体が浮いて移動が困難になるおそれ ④水深がドアの高さの半分を超えると:内側からドアをほぼ開けられなくなるおそれ 出典:国土交通省Webサイト「水深が床面を超えたら、もう危険!ー自動車が冠水した道路を走行する場合に発生する不具合についてー」より当社作成 https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_003565.html

2.水没リスクを回避するために

アンダーパスは全国に3,700箇所ほどあり、それ以外にも周囲より低く水はけが悪いといった豪雨時に冠水しやすい場所は思った以上に多いものです。日頃通勤や業務で走行している道路に冠水しやすい場所がないか一度確認しておくのがよいでしょう。また、気象情報を確認することを習慣にして、集中豪雨やゲリラ豪雨などに関する情報を早期に把握し、予め危険を回避できるようにしておくことが大切です。

・道路冠水想定箇所の確認 国土交通省「重ねるハザードマップ」

・大雨・洪水の危険度の確認 気象庁「浸水キキクル(危険度分布)」、「洪水キキクル(危険度分布)」 https://www.jma.go.jp/bosai/#pattern=rain_level&area_type=japan&area_code=010000

万一の場合に備え、脱出用ハンマーやシートベルトカッターなどの避難用具を車内に常備しておくようにしましょう。避難用具はいざというときに手の届く範囲にあることが重要です。 国土交通省Webサイト「いざというときのために、緊急脱出用ハンマーを備えつけましょう!」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/carinf/rcl/carsafety_sub/carsafety023.html

3.冠水道路を走行する場合の注意点

道路が冠水するような豪雨時の運転では、無理をしないことが大切です。やむを得ず冠水した道路を走行する場合は、以下の点に注意しましょう。

・アンダーパスには入らない。 ・前車の水しぶきや急停車を想定し、車間距離を十分に取る。 ・水を巻き上げないように速度を十分落とし、ゆっくりと進む。

豪雨により短時間で道路が冠水するような場合、水深も急速に増していくおそれがあります。「これくらいの冠水なら進めるのでは」といった油断は禁物です。

<走行後は>・ブレーキの効きが悪くなったと感じたらブレーキを数回踏んでブレーキパッド等を乾かしましょう。 ・エンジンや電気装置が浸水した場合は、故障や車両火災のおそれがあるので、エンジンをかけてはいけません。ロードサービスや自動車販売店、整備工場等に連絡しましょう。

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